2012年4月18日水曜日

「銀の島」山本兼一著を読んで

ザビエルの来日は、何をもたらしたのか
当時の世界の覇者、ポルトガル国王の庇護の元、カトリック教を布教する
純粋なザビエル。
富の蓄積を図りたいポルトガル国王。
日本には、宗教を受け入れる素養がある事を知るザビエル。
日本には、すばらしい銀鉱山があることを知るポルトガル国王側。
そんな構図のもと、物語は進んでいく。

圧巻は、マラッカ海軍総司令官に任命された「パラッタ」が石見銀山の襲撃に向かう。
それを迎え撃つ日本勢
「王直」の応援をうけ、南風にのって追撃に向かう。
安次郎(あんじろー)が王直に応援要請
受託までの成り行き
「仲間」を守る
心構えのくだり、泣かせます。

装備抜群のポルトガル軍
大筒を備えたガレリオ船5隻、フスタ船10隻
総勢2000人
でも
戦略にたけた王直にはかなわず
石見を守ることが出来た。

着色された物語の話ではあるが、
この日本を守った逸話かも、
と思ってしまう。

時代を紐解き、日本を守ったたくさんの逸話
知りたくなった。
伝えていくべき事かと強く思う。
そんなことを考えさせてくれる山本兼一氏が好きだ。

北をみれば「北方四島」
南をみれば「尖閣諸島」
守るべき国土を守り切れていない日本人
「神風」に守られきた特殊な人類という
他力思想が、思い上がりが
まだ、蔓延っているようだ。

注釈 その時代の登場人物像 広辞苑、ウィキペディアによる

安次郎(アンジロー) 弥次郎(ヤジトウ) (弥次郎と当て字)
戦国時代の人。
鹿児島の貿易商、人殺しをし、ポルトガル船に乗り、海外に逃亡。
マラッカでザビエルに伝道され日本最初のキリシタン信者となった。
ザビエルと共に日本に戻り、カソリックを伝道する。
生没年未詳。

ザビエル【Francisco de Xavier】
日本に渡来した最初のイエズス会士。
スペインのナバラ王国の貴族。
1541年東洋伝道のためインドからマラッカなどを遍歴、
49年(天文18)鹿児島に来日、平戸・山口など日本各地に伝道。
51年離日、中国に入ろうとして広東付近で病没。列聖。
「インドの使徒」の号を追贈。漢名は方済各。
シャビエル。ザベリヨ。(1506~1552)

おう‐ちょく【王直】 ワウ‥
明代の密貿易業者・海賊の首魁。
安徽歙県の人。
浙江の定海、日本の平戸・五島などに拠って倭寇を率い、
明の沿岸を掠奪。明の征倭総督胡宗憲の謀略によって誘殺された。( ~1557)


1 件のコメント:

  1. 姉妹本に「ジパング島発見記」があります。読み終わりました。この書物より先に書かれたものです。当時、ジパングに来た7人のヨウロッパ人の物語です。その立場からみた、ジパングを見せてくれます。

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